0086宮原城(長野県) [城印象記]
長野県松本市入山辺宮原の宮原城を紹介します。(2014/6訪城)
松本市の東、林城、水番城の奥、山家城の向かいという位置で、このあたりはいい山城が目白押しという地域です。
GPS軌跡です。こんなふうに歩きました。
登城口はこんな感じです。車が1、2台停めれそうな入口です。
棒杭には「別名要害城。主郭まで25分。標高900m。比高120m。」とありました。
道に従い登り防護柵を越えると、右手に鳥居と社が見えます。沢から離れ尾根を目指すように進むと、曲輪らしき削平地が見られます。もう城域突入というところでしょうか。ただ、削平があまりにもしっかりしており、段の部分には石垣も見られ、おそらく往時にはらしい曲輪があったものの、このあたりは後世の手が入っていることでしょう。
これという道はありません。まず尾根を目指し、尾根を登っていくというルートで主郭を目指しました。
斜面はかなりきついです。段郭状に曲輪が点在します。
そして更に登ると堀切。
いよいよ主要部に入ります。比較的おおきな曲輪。
そして切岸を登り、もうひとつ堀切。
浅くなっていますが切られている様子はよくわかります。両端が竪堀となって落ちているのです。そして対岸の斜面には石が散乱していました。本来は石垣を組んでいたのでしょうか。
急登坂です。登り切ると主郭でした。
細長い削平地です。奥に土塁が見られます。
ここまで登るのに約40分でした。というのも、遺構を楽しみながらの登坂ということだからでしょう。斜面はかなり急ですが、ゆっくり登ったので苦になりませんでした。何よりも下草のないのがいいです。
城はしかし、登山ではないのでこれからです。
背後がなかなか面白いのです。
主郭からのぞいたところですが、三重の堀切です。浅くなってしまっているけど、尾根がうねうねしている様子がわかりますか。
主郭直下の斜面には石垣も見られます。埋もれていますが、石垣になっています。前面より後面の方がよく形状を残しているということですね。
土が軟らかいのでしょうか。だから、崩れないように石垣が必要だった。特に大切な場所には、ということでしょう。
三重の堀切の先には尾根が続き、どすんと落ちて堀切。ここらで城域は終わりようです。尾根は再び登りに転じてます。
前面に比べ、背後の守りが堅固です。備えあれば憂いなしということで、このようなつくりになるのでしょうかね。
あとは再確認するように戻ります。
畝状の堀切。そして落ちていく竪堀が、その側面に見られます。いい感じです。
夏の山城なんてと思っていましたが、信州は幾分か涼しく、また標高もあるせいか虫も少なく、下草も少なく、それでいて緑がとてもきれいで素敵です。
こじんまりとまとまった宮原城の訪城は1時間半ほどでした。
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