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0087水番城(長野県) [城印象記]

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長野県松本市入山辺南方の水番城を紹介します。(2014/6訪城)



林城の東になります。林城の水源を守るために築かれた城です。林城とは、別尾根、別山という感じに離れていますが、水番城の尾根をたどると林城の尾根に合流し、水の手防衛の城というのもわかります。しかし、それにしても距離がある(1.5kmほどの水樋を横断させたらしい)ので、林城は水を得るのに苦労していたのでしょう。水番(みずばん・すいばん)の名もそこからきていると思われます。

集落の奥まったあたりから登りました。画像矢印です。

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周囲は道が細く駐車は大変です。見上げると防護柵があります。

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宮脇さんの「信濃の山城と館」によると標高845.4m、比高165m。しかし、道があるので、登城は比較的楽でした。

GPS軌跡です。

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防護柵を通っていくと、神社に向かう参道になります。つづら折に登ります。
後世の手が入っているということでしょうが、このような施設があると、登坂にはありがたいです。

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神社のあたりは物見台だそうです。削平された感じから曲輪があったことはうなづけます。

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しかし、右に折れる形で尾根道を登ることになるのですが、このあまりにのっぺりとした尾根道に、ここまで城域だったのかと不思議に感じました。

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しかし、途中に浅くなってしまった堀切があります。

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登ると平場があります。ここも曲輪なのでしょう。しかし、ちょっと味気ない感じです。

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平場はそのまま右手に続いていて、右手に続いてます。

だらだら下がるようで、なんとも締まらない感じがするのですが、この先が大手筋だそうです。

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近くには竪堀も見られます。が、大手関連の遺構は特に見られませんでした。

ここが大手筋というと、しかしよく考えてみると構造的には納得がいく位置に思えました。つづら折の参道はないものと頭から消さないといけません。

しかし、水番城の見所はここからです。

平場に戻り、主郭方面を仰ぎ見た景色です。

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登坂途中に2本の堀切があります。

主郭直前です。前面には、石が散乱しています。

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主郭にたどり着きました。主郭は丸みを帯びた長方形で奥行き30mほど。

左奥に高まりがあり、土塁の痕跡でしょうか。しかし、周囲を囲うようには見られませんでした。全般的に土が軟らかくて、土の遺構はかなり風化されてしまったのでしょうか。それとも、高度差を生かし土塁などの構造物はあまり利用されなかったのでしょうか。

主郭まで途中の見学もあったので、約30分でした。

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宮原城でもそうでしたが、この城も後面が堅固です。主郭からは木々で見通し難いですが、堀切が幾重にも重なっている様子がわかります。

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遺構が細かく複雑になっています。堀切というより竪堀が尾根筋まで上がりこんでいるという様相です。搦め手筋になるのですが、むしろこちらからの敵を想定しているのでしょうか。尾根の下った先には堀切があり、その先は登っています。林城の水源のある地帯になります。

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それにしても搦め手筋は見応えあります。竪堀など、よく仕事されています。

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そして、再確認するように戻ります。

主郭背後には石垣が残っています。土の弱い部分を補強したという感じのものです。角を出さずに円形に続くところは、他の小笠原の城にもみられるような石組みです。主郭を一周するほどの立派なものではなく、前後を固めたのでしょう。

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この城も下草は少なく、夏でも見学OKな山城でした。比高がありますが、登城は比較的楽だと思います。戻って、約1時間半の見学時間でした。

下山した向かい(画像向かって右尾根)に桐原城が見えました。

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