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0669弥ノ森城(和歌山県) [城印象記]

和歌山県西牟婁郡那智勝浦町口色川の弥ノ森城を紹介します。



訪れて、意外なくらい人里離れた、山が深いようで驚きました。

一応、グーグルマップでも等高線表示が出ます。出る地域です。

上の印が城ノ森城、下の印が訪れた弥ノ森城です。いずれも、落ち延びた平維盛の末裔である清水氏の城になります。

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山の中で彷徨っても困りますから、慎重に地図を読み解きます。国土地理院地図で見たところ、標高は272m、車は県道43号線の余白地に停めましたが148mあたり、比高にして124m。このくらいなら心配はないでしょう。

正面の山です。左の三角の山が城ノ森城と思われます。

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橋を渡って、右奥の山のふもとに民家が見えますが、このあたりから登りました。川を渡った集落では道が細く車は思うように移動できません。少し距離がありますが、県道沿いに停めて歩くのをお勧めします。

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もっとも、その民家あたりから山に入ったのですが、特に道はありません。ただその民家が山のふもとに一番近かったので目標物にしました。山は直登です。ここを登るのかとひるみましたが、地図を見るとそれしか手がないようです。

急登坂ですが、幸い木が多いので、滑落の心配は少ないです。

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比高100m強の山城にしては、道中はきつかったですね。息絶え絶えでした。

ひたすら高いところを目指します。

尾根に出て、方向が変わったようです。ちょっとした谷を越えます。

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スマホに表示した地図を見ながら慎重に足を進めます。そろそろ、城域かと思う頃に堀切が出てきました。

小さなものです。けれど、確固たる遺構ですね。こんな山奥に、人の意志で地形が作られている、これは毎度のことながら感動します。

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そのまま直進します。

城域の雰囲気がありますが、全体に草が多く、遺構の感じも甘く思えました。

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木があると見通せない。木がないと、草が伸び、荒れ果てた薮になる。なかなか、その加減はやっかいなものです。この寒い時期なので草は少ないのでしょう。けど、和歌山は暖かいとみえて、シダや笹の緑のものがけっこうありました。

主郭に到着です。

小山のように浮き上がっている感じです。あまり削平地としては広くないです。

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主郭のまわりを囲うように曲輪があるようです。が、切岸感がなくなだらかさがあって、ちょっと何だかなという具合です。

南の端から主郭を見た様子です。

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しかし、東の方に目を転じると、なかなかいい感じに段差が見られます。

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この東の尾根先がこの山城では一番見応えがありました。

堀切は必ずしも深いものではありませんでしたが、南北に長く、尾根をしっかり切っています。前後に土塁が見られます。こうして見ると二重堀切のようにも見えますね。

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とにかく斜面上にあり、落差はかなりあります。

単純な防御ですが、この落差感はかなり威力を発揮したのでしょう。

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山の上にしっかり遺構も見られ楽しかったのですが、それよりも山の周囲はかなり急斜面になっており、その立地がものを言ったのではと思いました。

新宮の堀内氏に攻められるも、二度に渡り撃退したそうです。

本城にあたる城ノ森城はすぐ北側にあるはずです。その姿を確認しようとしましたが、木々で見通せません。それが残念でした。

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