0810何が正しくて何がウソですか
先日のことである。ちょっとした機会があり、古い知り合いと話をした。それはたわいもないというか、ちょっとした愚痴話だ。
家庭の話である。久しぶりのせいか、彼女は、少しやつれたというか年をとったように見えた。相変わらずの笑顔だが、元気がないようにも思えた。
自分とて年をとった。人からはそう見えるかもしれない。気をつけないといけないなぁと思いながらも話を聞く。
子供が言うことを聞いてくれない、思うようにしてくれない、そんな不満だった。まあ、よくあることかもしれない。うんうんあるある、とか、まぁ仕方ないよ、とか言いながら聞く。
しかし、ふと思えば、以前はよく旦那さんの愚痴を言っていたなぁと思う。あの頃は機会もあってよく話すこともあった。で、ひとつひとつは、ごもっともな話である。彼女の味方になって、話は聞いたものだ。
そして、一時はかなり夫婦仲も悪かったらしい。で、離婚したい、離婚するかもしれない、そんな深刻な話まで聞かされたような気がする。これは、いよいよまずいことになってしまった、どうしたものかと、それなりに気にしたものだった。
それが、ある時の話である。いよいよ別れたいとなって、もう物心ついて、それなりにわかるようになった子供たちに聞いたそうである。もう別れることにしたがお父さんお母さんのどちらについていくと。そうしたら、驚いたことにお父さんについていくというのである。
3人子供がいたが、一番下のいつもお母さんのそばにくっついている子まで、お父さんかわいそうといってお父さんといたいと言ったそうである。
別にお父さんが、特別稼ぎがいいわけでもなく、可愛がってくれるわけでもなく、特別何かあるわけでもない。むしろ不安だらけのはずである。
なのに、あんなにひどいお父さんに、ついて行ってしまう。
彼女は愕然としたそうである。
その話を聞いていた私も、その旦那にはお会いしたことはないが、なんか勝手なわがままな大人になりきれないような人を想像していただけに、へぇーといって驚いたものだった。
運が悪いんだなと言って、会話を終らせた気がする。
あれからもいろいろあったのだろうと思う。特別な話は聞かないから、結局は離婚もしなかったのだろう。それなりの家庭生活は続いていったのだろうと思う。
やぁ久しぶりと言って、別段変わりないようだったから、たわいない話の延長として、また愚痴話に付き合っておしゃべりをした。
しかし、その時にハッとして気付いた。
問題は、実はこの人にあるんじゃないか。いや元になるそのことは事実であり確かに相手が悪いのかもしれない。けど、そんな時、ごめんねお母さんが悪くて気が付かなくてごめんね、と言ってくれたら、どれだけ旦那さんは救われたことか!
子供は見ていた。いつも口汚く悪口を言っていたお母さんを。
そして今、子供はお母さんに牙をむくようになった。
何が正しいか、それは当事者でもないし、それはわからない。けど、このままでは間違いなくもっと不幸になってしまう。彼女の話を聞きながら、そんなふうに思えて仕方なかった。
そして、思わず口にしてしまった。
「あなたが変わらなけりゃダメだよ」
その言葉が、彼女の心に届いたか、どうか。暫くの空白のあと、微苦笑の中に消えてしまったかのようだったが。
自分が変わらなければ自分を救えない、改めて思うのだった。
家庭の話である。久しぶりのせいか、彼女は、少しやつれたというか年をとったように見えた。相変わらずの笑顔だが、元気がないようにも思えた。
自分とて年をとった。人からはそう見えるかもしれない。気をつけないといけないなぁと思いながらも話を聞く。
子供が言うことを聞いてくれない、思うようにしてくれない、そんな不満だった。まあ、よくあることかもしれない。うんうんあるある、とか、まぁ仕方ないよ、とか言いながら聞く。
しかし、ふと思えば、以前はよく旦那さんの愚痴を言っていたなぁと思う。あの頃は機会もあってよく話すこともあった。で、ひとつひとつは、ごもっともな話である。彼女の味方になって、話は聞いたものだ。
そして、一時はかなり夫婦仲も悪かったらしい。で、離婚したい、離婚するかもしれない、そんな深刻な話まで聞かされたような気がする。これは、いよいよまずいことになってしまった、どうしたものかと、それなりに気にしたものだった。
それが、ある時の話である。いよいよ別れたいとなって、もう物心ついて、それなりにわかるようになった子供たちに聞いたそうである。もう別れることにしたがお父さんお母さんのどちらについていくと。そうしたら、驚いたことにお父さんについていくというのである。
3人子供がいたが、一番下のいつもお母さんのそばにくっついている子まで、お父さんかわいそうといってお父さんといたいと言ったそうである。
別にお父さんが、特別稼ぎがいいわけでもなく、可愛がってくれるわけでもなく、特別何かあるわけでもない。むしろ不安だらけのはずである。
なのに、あんなにひどいお父さんに、ついて行ってしまう。
彼女は愕然としたそうである。
その話を聞いていた私も、その旦那にはお会いしたことはないが、なんか勝手なわがままな大人になりきれないような人を想像していただけに、へぇーといって驚いたものだった。
運が悪いんだなと言って、会話を終らせた気がする。
あれからもいろいろあったのだろうと思う。特別な話は聞かないから、結局は離婚もしなかったのだろう。それなりの家庭生活は続いていったのだろうと思う。
やぁ久しぶりと言って、別段変わりないようだったから、たわいない話の延長として、また愚痴話に付き合っておしゃべりをした。
しかし、その時にハッとして気付いた。
問題は、実はこの人にあるんじゃないか。いや元になるそのことは事実であり確かに相手が悪いのかもしれない。けど、そんな時、ごめんねお母さんが悪くて気が付かなくてごめんね、と言ってくれたら、どれだけ旦那さんは救われたことか!
子供は見ていた。いつも口汚く悪口を言っていたお母さんを。
そして今、子供はお母さんに牙をむくようになった。
何が正しいか、それは当事者でもないし、それはわからない。けど、このままでは間違いなくもっと不幸になってしまう。彼女の話を聞きながら、そんなふうに思えて仕方なかった。
そして、思わず口にしてしまった。
「あなたが変わらなけりゃダメだよ」
その言葉が、彼女の心に届いたか、どうか。暫くの空白のあと、微苦笑の中に消えてしまったかのようだったが。
自分が変わらなければ自分を救えない、改めて思うのだった。
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