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0919不退寺多宝塔下重(重文) [和塔]

同じ日、不退寺にも寄った。ここには多宝塔下重がある。

ここは門限がある。拝観時間は9時~17時、料金は400円。うかつにも、そのことは全く頭になかった。運よくギリギリのところで、中に入ることができた。制限の多い見学は大変だ。

パンフレットをくれ、案内していただける。

15分程度しか時間がないので、多宝塔下重を見るだけでいいやと思ったが、本堂や仏像を説明いただいた。ありがたいやら、時間がないやら、撮影禁止やら、どうも思いとはちぐはぐな案内で焦った。(しかしこれらも重文なのだが。)

説明が終わったわずかな時間で多宝塔下重を見た。(多宝塔下重については言久されなかった。)

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多宝塔(重要文化財)

柱は方柱人面取、方三間で中央の間に板扉を開き、左右には青鎖窓をはめている。斗拱は三斗出組とし、斗拱間には鎌倉時代特有の美しい蟇股を配し、柱頭部には頭貫を通じ、貫端に天竺様の木鼻を附けている。内部は二重折上げの小組格天井をはめ、彩絵を以て装飾している。その一部は修理に際し復原されたものである。この塔には最初上層があって檜皮葺きであったことが寛政年間刊行の大和名所図会によって明らかで、高さは十三メートル六〇、明治以降下軸部のみとなったとはいえ、鎌倉中期の特徴を具え当時の多宝塔としては出色のもので、池を隔てゝ見る姿はまことに優美である。(パンフレットより)

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宝形造単層の仏堂。緑に埋もれるように在り、高さがなく小さいので、ひどく地味な建造物に感じた。わざわざ、こんなものを見に来たのと言われそうな気がした。

けど、鎌倉時代のもので重文なのだ、と自分にいいきかせる。

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間近でみると、やっぱりいい。上層が檜皮葺きというから、屋根瓦などは修復の結果だろうか。下だけを見ていると、多宝塔であっても、三重塔であっても構わない気がした。下重だけでも、充分価値があるものだと感じた。

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三手先の組物になるのだろうか。素朴でありながら、意匠が凝っている。

蟇股の線は力強く、地垂木のリズムがいい。

長押が地覆長押・腰長押・内法長押と入る。連子窓、板塀。

回廊は広い。

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凝縮した時間だった。追い出されるように外に出たが、満足できた瞬間だった。

おまけに。

(重文の本堂)

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(重文の南門。鎌倉時代末期の建立。)

0919-06.jpg


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