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1172坂戸城(新潟県) [城印象記]

新潟県南魚沼市六日町坂戸の坂戸城を紹介します。

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標高634mの坂戸山山頂に広がる中世山城です。比高470mにもなる屈指の山城で、ここを踏破したいと思っていましたが、やっと実現しました。

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こちらは、登城口になる鳥坂神社前の駐車場です。あいにくの雨天で、カッパを着ての登城となりましたが、広い駐車場には何台も車が停まっていました。坂戸城は登山ハイキングとしても人気があるところです。

そこには案内図付の説明もありました。

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国指定史跡 坂戸城跡

坂戸城跡は坂戸山(標高634m、山麓との比高差約450m)とその西麓に築かれた中世から近世初頭にかけての城跡である。南北朝時代(14世紀中頃)、新田氏に替わって上杉氏が越後守護になると、家臣の長尾氏(上田長尾氏)が勢力を伸ばし、やがて南魚沼地方(上田庄)を治めるようになった。16世紀初頭、越後国内が戦国の動乱期に入り、坂戸城は長尾房長による本格的な築城が始まった。天文19年(1550年)、長尾景虎(後の上杉謙信)が越後国主となるに及び、翌年、政景(房長の子)は景虎と和睦を結び、臣従するに至った。天正6年(1578年)謙信が急逝し、政景の子景勝が御館の乱(1578-80年)を経て越後国主になると、坂戸城は近隣武将の城番とされ、領国経営の要所となった。慶長3年(1598年)、豊臣秀吉の命により景勝は会津に国替えとなり、春日山城には越前から堀秀治が入った。坂戸城には秀治の家臣堀直竒が入ったが、同15年(1610年)信濃国飯山に移され、坂戸城は廃城にとなった。
 坂戸山山頂部と主要な尾根には、石垣をもつ実城をはじめ、主水郭・大城・小城などの郭群が築かれている。実城をやや下ると桃之木平という広い郭があり、兵糧などの貯蔵や大勢の城兵が立て籠もる際に使われたと考えられる。寺が鼻尾根には小さな円形の塚が数多く存在する(寺が鼻百塚)。西麓には、城主館跡(通称御館)・家臣屋敷跡・御居間屋敷跡がある。城主館跡は1町(約110m)四方あり、周囲を土塁で囲み、正面の土塁には高さ約2mの石垣が築かれている。家臣屋敷跡は城主館跡の前方一帯に広がり、直竒が家臣たちをここに集住させた。御居間屋敷跡は城主館跡のすぐ南側、薬師尾根の中腹にあり、直竒が築いたものである。城主館跡の前方一帯に広がり、直竒によるものである。西麓部と山頂部・尾根上の郭群を結ぶ道としては、桃之木平を通る城坂と呼ばれる沢伝いの道が使われた。
 昭和54年(1979年)、典型的な中世山城の姿をとどめているとして、国の史跡に指定された。

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この駐車場の手前には内堀もあります。

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車止めがあって車では進めませんが、道があります。まず左手に家臣屋敷の跡が見えてきます。

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石垣と碑が見えます。館跡になるのでしょうか。

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広い敷地になります。これで充分、坂戸城を見た気分にはなると思います。が、山頂にある実城にたどり着いてこその坂戸城です。

雨が降っています。

この日、長野県も群馬県も晴れていました。日本海側ということで、単に県境を越えたという以上に境を越えた気がしました。

こんな日にと思わない訳ではありませんが仕方ありません。これをためらっていては、チャンスをものにできません。それにしても、山は高くそびえるのでした。

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距離的には半分近く進んだところに大きな一本杉があります。ここに案内板があります。

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しかし、山はこれからです。沢沿いの山道をくねくねしながら登ります。道は小道ながら整備されています。途中、沢を横断したり、また山陰に雪が残っていたところもありました。

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案内も出ているので迷うことはありません。途中の岐路で主水郭に上がりました。

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ここまでで約1時間かかりました。道は整備されていたので登るのは大変ではありませんが、それでも1時間も歩いたのかと驚きです。

さっそく山城探索の開始です。

これほど高所にある山城なのに、自然地形を利用しただけの遺構ではではなく、しっかり作りこまれた遺構に驚きます。変な言い方ですが、普通に中世山城の縄張が展開され、遺構が残っています。

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富士権現のある実城へ来ました。ここが中心部になります。

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「坂戸山頂上634m」の案内もあります。ついに来ました。

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あいにくの天気ではありましたが、雨は小止みになっていて写真も撮れました。こんな坂戸城もいいですね。緑が濃くなっています。

眺望も抜群でした。むしろこれほど高所なのに、街道あたりがしっかり手に取るように見えるのが意外くらいでした。

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こちらは南南東の尾根に続く大城小城です。ガスが発生してますが、いい感じですね。

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さっそく、大城小城にも侵攻します。途中、小さな二重堀切も見られますし、よく作りこまれています。振り返ったところの実城もいいですね。

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細尾根を進みます。

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小城を越え、大城まで来ました。

土塁で区画が区切られています。その奥の櫓台のような土塊から撮っています。

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またここから見る実城も印象的なものでした。

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高所でありながら、ごく普通に山城遺構が残っていることに感動しました。城域も広く、天候のこと、緑が深くなったこともあって、遺構探索としてはまだまだ見たりない気もしましたが、要所はしっかり楽しめました。

下山です。

コースを替え、途中桃之木平に寄りました。広い曲輪があります。

周囲に段曲輪や畝状の竪堀もあるようですが、それらは充分確認ができませんでした。

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登ってきた登山道に戻ります。まだ下山にはひと息かかりますが、見学は終了です。

日本でも指折りの比高を誇る坂戸城も、よくある中世山城と同じ遺構です。当たり前のことでしょうが、ちょっと意外な感じと、やっと来ることができた安堵感を感じました。

しかし、途中の景色とはいえ、この見下ろす景色はやっぱり坂戸城ならではだなぁ、と感じ入ったのでありました。

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