0234根福寺城(大阪府) [城印象記]
大阪府貝塚市の根福寺城を紹介します。(2014/11訪城)
地図の右下、大川のコミュニティバス停の近くにこの説明はあります。その後ろの山塊が根福寺城です。はじめこの地の豪族松浦氏によって築城されました。
向かいの共同墓地の入口には城主の墓があります。
道路と川に挟まれ、比高は100mほど、ある意味、探索しやすいお城です。しかし、これという登り口が見つかりません。とりあえず登りやすそうなので看板付近から山に突入しました。
縄張図とスマホGPSを持っているので心配はありません。山城に親しんでいる人なら大丈夫でしょう。
尾根を登るとまず二重堀切が出迎えてくれます。小さめながら、ひとつひとつがはっきりしています。
細長い曲輪を通り、高まりが見えます。段曲輪状に囲われてます。壮観です。ワクワクしますね。これという道もついてないようですが、斜面を登り、一番高いところへ着きました。
根福寺城は2つの峰に分かれ、東城と西城と呼ばれてますが、その東城の主郭部のようです。その狭さから櫓台のような部分だったのでしょうか。
北の方へと曲輪が続いています。切岸がはっきりしていて、縄張図を見ながら曲輪を確認するだけでも、結構見応えがあります。遺構の状態がいいですね。
大きい曲輪、小さい曲輪、段差もあり、それぞれ役目を持って位置していたことを想像すると楽しくなってきます。
北の大きめの曲輪の北西下になるのでしょぅか、石垣が見られます。なかなか見つからなかったので、大したものではないのではないか、と思ってました。
そうしたら、こんなハッキリした姿がみられたので驚きました。
全体には、土の城で、石垣は見られません。しかし、石が散乱しているような場所もあり、必要に応じて補強に使われたのでしょうか。それにしても、この一角は見事に残ってます。
下へ降りたり、上に登ったりを繰り返して、まずは東の部分を見学終了。
東西の間は、山の傾斜もきつく、大堀切のようでした。
このあたりに大手門もあったようです。石が多く転がっているのはその遺構の名残らしいです。道路側に向かっていたのでしょうね。
さて、西城へと登ります。小さめな曲輪が途中にあり、そこには井戸らしき窪みがありました。手前には石があります。壊されたということなのでしょうか。
上がりきったところが主郭部かなと思いましたが、まだ奥は続きます。城域があります。削平状況もよく、回廊のように続きます。
そして、高まり見え、西城主郭に到着しました。
この西城主郭の方が東城主郭部より高く、広さもあり本来の主郭と呼ぶべき場所でしょう。ここで食事をとってしばし休憩。
この日は誰とも出会いませんでした。これだけの遺構のこの城を一人で独占して楽しんでいるのかと思うとゾクゾクします。
一人っきりというのもいいものです。
一服した後、北の斜面をくだります。平場が見えるので曲輪はわかります。10m近くありそうです。疲れてくると、ちょっとめんどくさくなります。が、その先に進むと堀切があるようです。そこまでが城域と思うと、頑張らざるをえません。
平場は削平された感があり、降りた甲斐あります。が、その先は、少々藪っていました。ザクザク進むと、堀切がありました。
藪ではっきりしないと言えばそれまでですが、あると思っている私には、浮かび上がって見えるようです。可笑しいですね。
その先は小さく削平地があり急斜面。遠くは大阪湾の海が見えます。
とって返し、さていよいよ、本日のメインイベント。西城の南面下にあるという畝状竪堀の探索です。
西城主郭を南西方面に下ります。
これは尾根に続く曲輪を少し下ったのですが、もとより道などありません。あとは適当に斜面を下りました。
下ったはいいけど、そのまま見過ごして下山……、そんな不安さえありました。けっこう下った気がしました。
場所はこのあたりになります。(一番端っこです。)
上手く出会えてよかったです。しかし、びっくりしました。これなら見落とすはずがないという規模です。
ひとつの畝は深さ2mくらいはあります。
7本の畝があるようです。深くて広がりもあり、実戦的な臨場感を感じました。よくこんなコブのような畝が実際どれだけ役に立ったんだろうと思う程度の遺構は見ましたが、これはすごい規模ですね。大いに感動しました。
少し、東に移動したところに2本の竪堀があります。こんな具合に地形を生かしつつ、南面には竪堀が続いていたのでしょう。
どうしようかと迷いましたが、この竪堀を伝わって山を下りることにしました。
一般的には、沢を伝わっての山下りは危険とされており、竪堀下りも危険が伴います。足元はすべるので、注意が必要です。
道がない中での、比較的比高も小さく、車の通る道も近いとのことで強行しましたが、気をつけてくださいね。
下りながら斜度もあり、かなり危なかったです。
ふと気づくと車の音が聞こえ、明るくなり、表の道路に降りました。一気に現実世界へ戻された気分です。
(でも、ここからは登れないですよね。)
手つかずの遺構が良好に残り、見所も多く、素晴らしい山城でした。このまま、山城ファンがそっと楽しめるような場所であって欲しいなと思いました。
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